お知らせ 11月25日

....先日は東北で地震がありましたが、幸い今回は大きな被害が無かくてよかったと思います。東北地方のお客様への発送に、一部遅延が見られるようですので、ご留意いただければと思います。

地震が怖いなら地震の無い国に移り住めば良い、という考え方もあります。しかしたとえば、地震の少ない中国内陸部は、かわって洪水や旱魃の害などもあります。また気候に恵まれ、災害の少ない地域というのは、戦争によって争奪が繰り返されてきた歴史があります。どこに住んでいようが、人の知恵を絞って、安全に住みやすくしてゆくよりないのでしょう。
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在庫を整理していたところ、忘れていたところから「青麟髄」と「玄松脂」が少し出てきました。近日中、少しの間だけになるかもしれませんが、販売を再開しようと思います。
また、新老坑硯を3つほど、新たに店頭に出そうと思います。硯は多くの中から選んでいただきたいのもやまやまなのですが、一度に数を揃えることが出来ず、小出しにしているような恰好になってしまって恐縮の限り。それもひとつの出会いということで、お手元で長らく可愛がっていただければ幸いです。
今月末は香港で大陸の国営オークション会社”嘉徳”によるオークションが開催されます。今回は硯にも力を入れているようですね。今まではあまりオークションに出品されてこなかった、出土硯なども散見されます。他は銘のはいった在銘硯ですね。それらに日本から還流したことを示すような、古い桐箱や仕覆が添えられている体裁は、もはや定番の感すらあります。
誰が言ったか「骨董は欲しい人の数だけある。」という、言葉通りの様相を呈しているようです。

ところで本日11月25日は、三島由紀夫の命日ですね。没年の昭和45年からかれこれ半世紀近くが経過しました。いろいろな評価があり、批判する人も多い。しかしともかくも今の今まで批判や批評の対象となり、新しい若い読者も獲得している作家である点は、無視しえないところでしょう。若い人に言わせると、時代背景や思想、あるいは人物の詳しいところは知らなくても、まずはかの美しい文章に魅せられるのだとか。

三島由紀夫の文体はフランス文学の影響を認めていますが、その美しさに関しては古来の文語文、漢文の素養の深さに根差すところが多いと思います。対句や反語を多用した華麗なレトリックは、今では読みにくいという人も多いようですが、三島由紀夫と同じく、戦前教育を受けた世代はかえって流暢で読みやすく感じたのではないでしょうか。
逆説を軸に構築されるストーリーの展開の仕方も、中国の古代思想の説話にはよく見られるものですね。
三島由紀夫は「文章読本」で森鴎外の文体を、”漢籍”の素養に裏打ちされた、簡素で力のある文体であると高く評価しています。森鴎外は(やその時代の作家は)”漢文”というよりも”漢籍”といいたくなるような、漢語散文の深い造形を思わせるところがあります。三島由紀夫になると幾分は砕けて、名文の簡素さを積極的に入れるよりも、漢詩の修辞を多く取り入れたように感ぜられます。時折、いかにも漢文特有の表現を入れて要所を引き締めながらも、現代的なモチーフで覆ってそれと気付かせない、生硬と思わせないところが、技巧と言えるのではないでしょうか。
 
世界中で読み継がれる三島文学ですが、実は意外なようですが、現代中国においても熱心なファンがおり、多くの作品が翻訳されています。大陸からの観光客の多くが訪れる京都の金閣寺ですが、三島由紀夫の「金閣寺」を読んでから観に来る、あるいは京都を訪れた後に「金閣寺」を読む人も多いとか。日本語の出来る若い朋友が「”金閣寺”という小説、読んだことありますか?」と聞いてくるのに少々驚いたのが最近の事です。

現代中国語に翻訳された「金閣寺」も少し読んでみたのですが、漢文を読まなくなった日本人よりも、今の大陸の人の方が(翻訳された文章にしても)三島文学に親しみやすいのではないか?とも思えます。またかえって今の日本人よりも、その文体も美しく感じやすいのかもしれません.......「金閣寺」を読んでから京都の金閣寺を観た大陸の人の心には、”金閣寺”はどのように映るのか、少し興味をおぼえます。
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