携帯用 浄純狼毫小楷筆

久しい以前からの懸案であった、携帯狼毫筆の販売に踏み切った.......持ち運びに便利で、見た目も瀟洒、かつ専門家の実用に充分応え得る筆が欲しかったので、企画した筆である。

携帯浄純狼毫小楷筆昔から「携帯用文房具セット」のようなものは、大陸のお土産物屋で売られていた。あるいは日本の書道用品店に、それらが輸入されていたものが扱われていることがあったものである。小さな硯や墨もセットになっており、かわいらしい作りのものもあるが、まさにお土産用で、残念ながらほとんど実用に耐え得るものではなかったのである。
携帯浄純狼毫小楷筆
ところが完成した筆に、いささか気になる点があった。ひとつは筆帽、つまりキャップがいささか外れやすい事。もうひとつは、筆鋒を付けたまま持ち運ぶと、筆鋒の付け根に曲がる圧力が加わった時に、牛骨で作られた白い筆管が折れてしまう事がある、という点である。
この点をカバーするために、専用の革製ないしは布製、あるいは金属製のケースを企画するなどしていたのだが、思ったようなケースが出来ない。またケースのコストも、許容範囲を超えてしまう見込みがあった。そういうわけでもう何年もしまったままであった。しかし時折、あの筆はいつ販売するのか?というお問い合わせをいただくことがあり、誠に心苦しく思っていたものである。
今回、少し筆の在庫整理をしながら出てきたこの筆を改めて眺めていると、もう永久にお蔵入りなのではないか?という思いがしたのである。しかし、それではせっかく作られた筆達にも大変申し訳ない。このとき心なしか、この筆達が悄然として見えたものである。
持ち運ばなくとも、普通に使う分にも、なかなか無いくらいの贅沢に材料を使用した狼毫筆なのである。このまま死蔵しておくのは、考えようによっては当方の身勝手というものかもしれない............

思案の挙句、お使いいただく方々にお取り扱い方法をお任せして、販売する事にしたのである。矢立など無い時代であるが、ペンケースなど、曲がらないような入れ物にいれて持ち運んでいただければ、破損する事はまず無い。
もとより丈夫につくられているのだが、筆帽をつけた状態で圧がかかると、ちょうど筆帽がテコの働きをしてしまい、牛骨部分が折れる危険性がある。
ただし裸のままポケットやカバンにいれて持ち歩くと、筆帽が外れたり、筆帽の付け根から筆鋒が折れる恐れがある点だけは、くれぐれもご注意いただきたい。
携帯浄純狼毫小楷筆
自用の筆を持ち運ぶほどの通人であれば、そのあたりのご配慮は当方ごときがあれこれ考えてより高価な商品になってしまうよりも、お任せしても大丈夫であろうと考えた。携帯用の自用の小文房セットなどをあつらえておられる方であれば、この筆も一本、忍ばせるに好適である。
あるいは持ち運ばなくとも、座右においてちょっとした書き物にも使い勝手が良いものである。
携帯浄純狼毫小楷筆
筆管の材質は筆匠が「紅木」とよぶ木で作られており、これに光沢を出して仕上げ、それに牛骨、牛角でアクセントをつけている。筆鋒はむろん厳選された純狼毫である。性能的には以前販売して高価にもかかわらずご好評いただいていた、”浄純狼毫小楷筆”を若干太くした気味である。鋭利な書き味は、小楷や写経はもちろん、出先での芳名、宛名書きにも重宝するであろう。あるいは木炭などと一緒に、ちょっとした写生旅行へ携帯するのも、面白いかもしれない。
携帯浄純狼毫小楷筆
筆管が惜しいので、いっそ、筆鋒のみを交換可能につくればよかったという思いもあるが、それはそれで構造的に難しい問題も出てくるので今後の課題という事で。
いうまでもなく精良な狼毫を厳選しているので、大切にお使いいただければ相当長い間活躍してくれるはずである。

長年の懸案、結局そのままの形で販売するということで、長らくお待ちいただいたお客様方には大変申し訳なく、ここに謹んでお詫び申し上げたい。平に平にご容赦いただければと思う次第であります。
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