鐵斎翁書画寶墨の謎? 〜1980年代初め

さて、またもT.H先生からの借り物の写真である。メモには1983年大阪アメミヤで購入、1800円とある。先生のこの几帳面さにはまったく頭が下がる。
1983年鉄斎翁T.H先生は当時「上海墨工廠から曹素功の名前に戻った!」ということで、喜び勇んで購入したということである。しかしながら肝心の墨質のほうはまったく期待ハズレであったと語っておられた。
1983年鉄斎翁墨の背面に「国華第一」の字が復活している。1983年鐵斎翁1980年代に入って、中国に大きな変化があったとすれば、70年代の終わりの文化大革命の終焉と、改革開放経済の推進の本格化である。「曹素功」という、帝政時代の個人名称によるブランド名の復活も、改革開放経済の流れと無縁ではない。何度か触れてきているが文革中は個人名による企業経営は軒並み禁じられたのである。文革中、墨は上海墨廠に統合され、筆は上海工芸や蘇州湖廠といった企業に統合され、国営企業として国策に従った企業活動を行ったのである。1983年鉄斎翁改革開放経済が開始されるや、民営の企業の設立が可能になり、また企業名称やブランド名に個人名を使用することも可能になった。ただし、この鐵斎翁書画寶墨は上海墨廠の製造である。上海墨廠が前身の「曹素功堯千」のブランド名を復活させて製造した墨なのである。1983年鉄斎翁この墨には面白いシオリがついている。類似品にご注意ということである。内容はご存知の方も多いと思われるが「鐵斎翁書寶墨」という「宝」の一字が抜けた類似品が出回ったいるのでご注意ください、という内容である。ちなみにこの「鐵斎翁書画墨」も、改革開放経済によって独立復活した胡開文の製造による墨である。
中国の製墨業が、国営企業による独占的な生産から分離し、個人が経営するそれぞれの工場に生産が移っていったことを如実に示している。
無論、それら独立した墨廠の経営者や職人の多くは、上海墨廠で働いた経験を持つ者が大半だったのである。
落款印01


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