新老坑硯五面をリリースいたしました。

先日お伝えの、新老坑硯五面をリリースしました。
新老坑と一口に言っても、老坑水巌と区別がなかなか難しい硯もあります。じゃあ、老坑水巌として、もっと高く値段をつければいいじゃない?とみる向きもあるようですが、それもいかがなものかと。老坑水巌は老坑水巌として、やはり新老坑と違った性質があるものなのです。
新老坑硯
ちなみに、老坑や麻子坑、坑仔巌といった歴史ある坑洞を有する斧柯山から西江を挟んでの対岸、北嶺とよばれるところから出る硯石もあります。北嶺も古くから採石が行われてきましたが、歴史のある所では、宋坑や梅花坑があります。
近代にあって、ともかく量が採掘されたのが沙浦です。沙浦からは大量の硯石が採石され、旧坑洞がすべて閉鎖された斧柯山に代わって、現在もここで硯石の採石が行われています。

沙浦は硯石としての性能はまったく劣るものの、華麗な石品を持ち、一見すると老坑や麻子坑、坑仔巌といった、旧坑洞の硯石に似た硯材が採石されます。これらの硯石は旧坑洞と区別され、新麻子坑や新坑仔巌、そして新老坑というような区別がされる事もありますが、流通の過程で意図的に混同され、老坑や麻子坑という名で店頭に並んでいる状況が現在も続いています。
弊店や、一部玄人筋の言うところの”新老坑”は、あくまで旧坑洞、斧柯山の老坑水巌近傍の坑洞で採れた硯材です。斧柯山とは距離のある、沙浦や北嶺の諸硯石のことではありません。巷間、沙浦の石でも、新麻子坑や新坑仔巌とならんで、新老坑を呼称する硯も流通しているようなので、ここで注意を喚起しておきます。

硯が実用を離れ、もっぱら鑑賞に供されるようになった現在、彫刻用の石材としてみれば、沙浦で採石された材料でも良いのかもしれません。しかし沙浦の硯石は、巨大で価格も高いわりに、墨を磨ってもいいところが無いのが実際のところなのです。とはいえ、硯で墨を磨らず、部屋の装飾として硯を置いておきたい、というニーズが現在は多いのでしょう。観賞用のために、限りある旧坑洞の資源を浪費するよりは、そういった用途向けにたくさん採石される硯材を提供するのも一法でしょう。沙浦が無ければ、とっくに旧坑洞の硯石は枯渇し、価格が暴騰していたかもしれません。そういう意味では、沙浦の石も、存在価値があるとはいえるのでしょう。
しかしながら一方で「悪貨が良貨を駆逐する」状況が見受けられないとは限りません。そういった意味では、北嶺と沙浦、そして斧柯山の硯石を区別し、旧坑でも老坑水巌と新老坑を区別することは、意味のあることだと考えています。
落款印01


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