武漢封城

......武漢肺炎と呼ばれる新型ウイルスによる肺炎が武漢を中心に猛威を振るっている。日本の報道と中国の朋友から紛々と入ってくる情報にはかなりの温度差がある。直感的ではあるが、事態はかなり深刻である。
22日から23日にかけて、公式発表でも患者は100人増加している。23日から24日にかけては200人の増加である。今後、加速度的に増加しないという保証はどこにもない。

現地の医療関係者からの発信を参照すると、武漢だけですでに数万人が感染していることがうかがえる。武漢肺炎については、まず診断を受け、ウイルス検査を経て初めて武漢肺炎と診断される。それはそういうものだろう。そして新型肺炎と診断されたのちに死亡した場合、新型肺炎による死者にカウントされる。
現地現場の医療関係者からの発信は微信を通じて回ってくるのであるが、多くはデマ扱いされ、場合によっては遮断されることもあるそうだ。しかし会話の内容や画像を見る限り現場ないし現場近くの医師か看護師の会話と思われ、これが捏造されたデマとすればかなり凝っている。その画像なりをここに掲載するのは控えるが、かなりショッキングな内容だ。もしこれがデマであればそれもよし、用心に越したことはないという意味で注意を喚起したい。

武漢は湖北省の省都であり、内陸屈指の大都市である。また武漢大学を中心に病院が多く、比較的医療体制の良い都市としても知られている。その武漢の病院はどこも発熱患者でいっぱい、ということだ。しかしウイルス検査を経ないと新型肺炎患者にはカウントされないのである。そして治療がまにあわず死亡した患者は新型肺炎による死者には数えられない。そのような治療を受けられず病院の廊下や待合室で死を待つ患者も大勢いるという。
新型肺炎は中国のCCTVでも連日大きく扱われているが、事態はさらに深刻である。中国当局による意図的な隠ぺいというよりも、CCTVにも正しい情報が伝わっていない、というような事も言われている。

13日に香港から帰国したが、帰国直前に香港でも27人の感染疑いが確認されていた。それが今日現在までは都合176人が感染疑いで検査をうけ、現在は2名の感染が確定している。109人は無関係とわかって退院したが、依然として67人が感染疑いで入院しているという。この時期、発熱をともなう疾病は多いもので発熱したからと言って新型肺炎とは限らないだろう。
しかし香港だけをみても発熱状態で受診し、検査を経て確定するまでそれなりの時間を要している。日々報道される感染者数は発熱し、診断を受け、ウイルス検査を経た患者数であり、発熱していないウイルスキャリアの増加をリアルタイムに反映した数字ではない、という事は注意が必要だろう。

今回は9日に深圳から香港に移動したが、8日の晩は深圳在住のS小姐の家で会食していた。S小姐は9日に湖北省武漢から車で2時間くらいの距離にある、随州という町に子供と妹、父親とともに帰省するという。今年は春節が1月25日からと早く、また不景気を反映して深圳でも帰省が早く始まっていた。子供を連れているから高速鉄道が良く、あまり遅いとチケットが採りにくくなるのである。
S小姐の旦那さんは深圳を本拠地とする華為(ファー・ウェイ)にお勤めなのであるが、彼はまだ仕事納めまで日にちがあり、深圳に残留して後から帰省するのだという。
それが昨日S小姐と連絡を取り合ったところ、深圳では大手を中心に、湖北省方面へのスタッフの帰省を止める企業が多いという。湖北省へ帰省するには、多く武漢を経由しないわけにはいかないのである。またすでに湖北方面に帰省したスタッフには、春節後のUターンを控えるように通達しているという。S小姐の旦那さんは帰省したら深圳に戻れなくなるおそれがあるから、そのまま深圳にとどまることになったのだという。
またS小姐は四姉妹であるが、S小姐と妹は故郷随州に帰省している。長女は武漢に在住しているのだが、武漢が「封城」されたため武漢市街からは出られない。

深圳は外省人の街であるが、比較的多いのが湖北省、湖南省、四川省、広西省、江西省の人である。ゆえに春節後も武漢肺炎に収束のメドが立たない場合、深圳経済への影響は必至である。いや、深圳のみならず、交通の要衝である武漢の封鎖が説かれない場合、大陸経済全般への影響も少なくないであろう。

随州はS小姐の結婚式に招かれたときに訪れたことがあるが、武漢から高速道路で2時間の距離にある街である。
1月23日付の随州政府の公式発表によれば、随州では発熱患者166人のうち、新型肺炎と疑われる症状の患者が27人出ているという。この時点では確定ではなく、検査の結果で感染が確定するわけだが、予断を許さない状況であるといえるだろう。
また23日の時点で交通封鎖の範囲が武漢から拡大し、鄂州、黄岡、仙桃、赤壁、荊門、咸寧、黄石、当陽、恩施、孝感、の範囲に拡大している。かつて東坡赤壁を訪ねた黄州は、黄岡市に属している。武漢から長距離バスで一時間程度、70Kmほどの距離にある街であるが........いずれS小姐の故郷の随州も「封城」されるかもしれない。皆、春節後に深圳に戻って仕事ができるかどうかを心配していたが、今はそれどころではないだろう。とはいえ、経済に与える影響は武漢や深圳といった一都市に限っても甚大であろう。

「人から人への感染」の可能性があるかないかはっきりしないうちに瞬く間に感染が拡大している。現場で治療にあたった医師等が十数人感染しているところをみても、感染力が強く、死亡率も決して低くはないのではないか?というのが正直な感想である。
もちろんこの時期はインフルエンザ等の疾病予防に注意しなければならない時期であり、うがい手洗いマスクをする、消毒に努める、といった日常の行動が新型肺炎の予防にも有効であるという事は確かなようである。
中国当局の地方政府の公式発表以外の、当方が接する情報がデマならデマでもいいのであるが、明日から春節に入るこの時期、ここに注意を喚起した次第。
落款印01


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