随州封城

......先に「武漢封城」を掲載した翌日、やはり懸念した通り随州も「封城」されてしまった。これで湖北省南部の過半が「封城」されたことになる。交通封鎖は湖北省に限ったことではなく、上海や北京、天津といった都市でも徐々に移動が制限され始めている。
浙江省温州のとある小さな村に帰省した知人がいるのだが、人口千人程度の小さな村も「封村」されたという事だ。もっともこれは感染者の流入を防ぎたい村人が自発的に行っている行動のようで、町から村に通じる道路を閉鎖し、検問のようなことを行っているということである。このような動きはおそらく大陸全土に及んでいるのであろう。

懸念されるのは感染の拡大もそうであるが、経済への直接的な影響である。春節後の中国経済は、少なからぬ混乱を呈するのは必至である。今や全国的に人の移動が制限されているのであるから、仕事どころではない。すでに海外旅行への団体旅行は当然のことながら、国内旅行も禁止されている。旅行業、宿泊業から小売、飲食にとどまらず広範な経済活動に影響するだろう。
SARSの際は香港の不動産は70%暴落した。普通に考えれば春節後に武漢を中心に湖北省一帯の不動産は暴落、余波は全国に広がるだろう。放置した場合に銀行が連鎖倒産するなどの金融危機は不可避である。金融危機を防ぐために強い資本規制、すなわち預金の引き出し制限や送金の制限などが実施される可能性が高い。
あるいは不動産の売買そのものを停止する可能性もある。今日現在で春節の休暇が2月2日まで延長されている。Uターンによる人の移動を抑制すると同時に、株式や不動産など、あらゆる”市場”の再開を延期させる措置ではないかと思われる。

自身はその道の専門家ではない、という事を断ったうえであるが、今後患者数の増加を注視しなければならないだろう。武漢市内で濃厚な接触をした人々の間での感染が感染経路の大半であり、「封城」後に二次感染が抑制されているとすれば、どこかで感染者の増加が頭打ちになるはずだ。現在の感染者の増加は感染が診断された患者数であり、医療機関側の検査体制が増強の状況に左右されるのである。とはいえ、感染力が増強しているという観測もあり、まったく予断は許さない。

武漢の医師はざっと3万人。また”官報”によれば北京からは一万人の医師が武漢に派遣され、また近く2万人の医師が全国から集められ、さらに武漢に向かうという。医師だけではなく、看護士の随伴も相当数に上るだろう。
以前に書いたが、武漢出身の作家である池莉の作品「不断愛情」は、医師の家庭に生まれ自身も医師になるエリートの男性と、下町”花楼街”に生まれた女性との恋愛・結婚がテーマである。武漢というと武漢大学医学部を筆頭に大学病院、病院、薬局が多く、医療の充実した都市として知られているのである。その武漢をしてベッドが足りない、医師も看護士も足りない、というのが現実なのである。
早い段階で武漢現地の医療機関関係者から漏れ出た情報では感染者は少なくとも4万人。現在では10万人の感染者の存在を肯定する声が高い。日本で報道されているような、武漢だけで数百人とか中国全土で2千人というようなオーダーの話ではない。

昨日26日付の武漢市長の声明によれば、武漢を離れた人の総数はおよそ500万人。900万人が残留しているという事である。武漢は戸籍人口1000万人、住人1200万人の都市であるが、一時滞在や春節前に通過した人の数の総数がそれくらいなのかもしれない。湖北省のみならず、大陸南西部における交通の要衝であるから、その数値はまったく誇張ではない。

湖北省随州に閉じ込められた朋友の話では、昨日今日は路上を走る車を多くみるという。自家用車を有する人々が脱出を図っているのではないか?ということである。こんな時は勧告される通り自宅でおとなしくして自身の感染を防ぎ、また感染の拡大を防ぐべきなのであるが、そうとは考えない向きも多い、という事なのだろう。先の温州の片田舎の「封村」も、そうした一部の人間の行動を受けての措置なのであろう。

随州の朋友には2歳の男の子がいるのだが、昨日から喉が痛いという。熱はまだ無いということだ。ただの風邪の初期症状なのかもしれないが、病院に行くこと自体が感染リスクを高める行為なので考え込んでいる。先日、随州市でも30名の感染疑いが確認されたが、いまや感染が確認された患者が30名を超えているのである。武漢から高速道路で2時間程度の距離にあり、武漢から帰省した人も多いのであるから感染者出ないわけにはいかない。今のところ「封城」が解除される見通しはない。

現在、日本で発見された感染者は武漢から来日した人に限られている。しかし潜伏期間が二週間と長いため、日本における二次感染の状況が見えてくるのは、早くとも2月上旬あたりなのかもしれない。武漢の人だけで10万人が日本への旅客申請をしていたという。中国政府は海外への団体旅行を禁止したが、個人の渡航がどこまで制限されているのかは不明である。ともあれしばらくは予断を許さない状況が続くだろう。
落款印01


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