蘇州緑揚ワンタン店

蘇州では蘇式麺ともうひとつ、餛飩(わんたん)を食べたくなるものだ。色々と美味しい店があるそうだが、小生がいつもゆくのは、蘇州博物館から観前街へ行く途中、臨頓路にある「緑揚餛飩」である。以前にも紹介したが、「緑揚餛飩」は蘇州市内でチェーン展開をしていて、ここ以外にも何店舗か店がある。
大きな地図で見る
いつも泊まるホテルが獅子林の近くであることと、蘇州博物館や拙政園の古玩城などに用事があるため、しばしばこの店に寄ることになる。朝食や昼食を手早く済ませたいときに、こういったお店で食べるのもいいものだ。
蘇州緑揚餛飩店蘇州緑揚餛飩店
しかし朝食時、昼食時ともなればさして広くも無い店内は客でごった返している。席を確保するのも一苦労なのであるが、二人以上の場合は1名が席を確保し、1名がオーダーに行く、などの分担が必要かもしれない。たいていの場合、昼時に閑散としている店と言うのは、地元の人から値段の割りに味がいまひとつ、という評価を受けている店なのである。蘇州(に限らないかもしれないが)の人は味にも厳しいが、プライスにも厳しい。高くて旨いのは当たり前、という声を聞く。この点は、関西人の外食の感覚と通じるものがあるかもしれない。高いなら「とびきり」美味しく、またそれなりのサービスやロケーションも求められるのだ。安くて美味しければ、サービスが適当なのや、アクセスが不便なのはあまり問題視されない。
観光ツアーなどで、こういったお店で食べる機会というのは余りないかもしれない。単独か、少人数の個人旅行でなければ寄るのは難しいだろう。学生さんの貧乏旅行などでは、こういった小さくても安価な店で食事を取るのも良いと思われるのであるが、先に食券を買って並ぶ店と言うのは、要領を得ないとなかなか食べるまでに難儀するものだ。
食券を売っているカウンターで、掲示してあるメニューを見て、欲しいモノと数量を伝えれば良い。それだけのことだが、「餛飩」というのは、結構発音が難しい。もちろん「ワンタン」と言ったところで通じない。「hún tun」と発音するのだが、無理にカタカナに直せば「フォントン」あるいは「ホォントン」となるかもしれない。のどの奥で「hún」と出すこの発音は、小生も昔苦労したものだ。「これだけ言ってれば、わかりそうなものだが。」というのはこちらの発想で、相手は何を言っているのかさっぱりわからないのだ。そういう場合に一番簡単なのは、店のメニューから食べたいものを紙に書いて見せるのである。
蘇州緑揚餛飩店このお店のメニューの写真を掲載しておこう。「鶏湯」は鶏ガラスープのことである。この店のお勧めは肉餡に蝦の入った「鶏湯蝦仁大餛飩」6.5元である。日本円で100円程度の安さで量もたっぷりなのだが、これでもここ数年でずいぶん高くなった。ずっと前はたしか4元、一昨年くらいは5元くらいだったように記憶している。「小餛飩」は小さな餛飩で、皮も薄い。大餛飩の方が食べ応えがあるが、あまりお腹が空いていない時は、小餛飩でも良いかもしれない。
「湯団」というメニューがあるが、これは米の粉で作った団子を茹でたもので、胡麻餡や肉餡がある。温かい茹で汁に入って出てくる。またこれを大きくしたようなのが「湯圓」で、1個1元という安さだが、普通はこれは3個〜4個くらいオーダーして食べている。
他は「小籠包」で、これには蟹肉の入った「蟹粉」と肉だけの「鮮肉」がある。「肉漿」は.....そういえば頼んだことがなかった。普通に考えれば肉のスープであるが、なんだろう。
蘇州緑揚餛飩店昼時は厨房もフル回転である。チェーン店とはいえ、作り置きしないでいつも出来立てというのが、この店の人気の秘密であろう。中国の外食産業というのも栄枯盛衰が激しいが、チェーン化したとたんに冷凍作り置きになり、人気が一気に落ちる店もある。中国の消費者は、こと食に関しては、安易なビジネスを許容するほど甘くは無いようだ。やはり地道に手間隙かけて、という当たり前のことを守っている店というのは長らく支持されている。
とても流行っていた店がいつのまにか閑散としてしまったのは、大型冷凍庫の導入で売れ残りを翌日に回すなどしたことが理由であったりする。餃子を1日冷蔵するなり冷凍するなりして翌日に回しても、食材的にはあまり問題ないと思われるのだが、味は若干落ちるのだろう。餃子などは、包んでからあまり時間を置きすぎると、皮のふっくらした感触が損なわれるという。売れるそばから作ってゆけば、売れ残りもあまり無いだろうが、今度はそれなりの人手の確保も必要になってくる。江南の人件費も上がっている昨今、こういった小さなお店がプライスを保つのも大変だろう。
ともあれこのときはS氏と二人であり、小生が席を確保し、一方でS氏が食券を持って餛飩が出てくるのを待つ。席を確保といってもすぐに確保できたわけではなく、食べ終わりそうな人の背後に立って、食べ終わったらすかさず席を譲ってもらうのである。なんだかせわしい話であるが、これくらいのことをしないと、昼時はなかなか席につくことができない。そこは地元の人も心得たもものであるから、食べ終わればさっさと席を立って出てゆく人が多いのである。
蘇州緑揚餛飩店蘇州緑揚餛飩店
江南で食べる餛飩というと、茹で汁に塩と化学調味料を少し入れたくらいの、味の薄いスープで食べることも多いのだが、ここのスープは鶏ガラでしっかり出汁をとったスープに塩味が効いている。スープだけでも美味しい餛飩というのは、やはり珍しい。そして特筆すべきはそのスープが非常に熱い、という事である。気をつけないと火傷しかねない、このスープの熱さも美味しさのうちである。ただしこの殺気立った店内には、小さな子供をつれたお母さんお祖母さんの姿も見受けられるので、ドンブリを運ぶ際は少し注意したいところだ。床も気をつけないと滑りやすい。
このときはS氏と二名で行動していたが、大餛飩ふたつと、鮮肉小籠をひとつ頼んだ。ここの鮮肉小籠は小籠というわりには大ぶりで、肉餡がやや甘い。蘇州からさらに北の無錫に行くともっと甘くなるのだが、蘇州の小籠包も総じて上海や紹興に比べると甘い。なので塩味が効いたスープの大餛飩と、一緒に食べると丁度良い感じであろうか。
この日もとても寒かったのであるが、大餛飩をお腹に納めるとすっかり温まった。我々が食べている間に昼時のピークもひと段落したようであるが、ともあれ長居は無用と、席を立って店をでた。
落款印01


calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< October 2020 >>

selected entries

categories

archives

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM