前方に注意せよ

いつかこういう目に遭うのではないかと思っていた事が、とうとう今回実際に起きてしまった件について少々。

深圳にちょっとした用件があり、朋友のSさんの運転の車で案内してもらった。Sさんは前述の「世界那么大 我想去看看」と書置きをして"出奔"してしまった子の姉君である。運転する車は妹君の愛車であるが、この時は丁度妹君が”出奔”のため不在であり、ご利用自由というわけである。

さて、用件が終わって帰途についている途中のこと。場所は深圳の宝安空港近くの道路上なのであるが、道は渋滞気味である.......実のところ深圳の道路事情はあまり良くない。改革開放が生んだ巨大産業都市であり、今や大陸の四大都市の一角を占める深圳ではあるが、道路整備や地下鉄などの公共交通機関網の整備は、たとえば上海などにくらべるとだいぶ遅れている印象がある。そういうわけで”渋滞”が”常態”なのであるが、それでも車を購入する人が多いので、道はさらに混雑する。高層マンションが林立する大陸諸都市であるが、マンションが高層化すれば人口密度も高くなるわけで、彼らが自動車を持ちたがれば、道路も多層化が必要なわけである。不動産開発に熱中した地方政府は、どうもその事を失念していたフシがある。ついでに付け加えれば、上下水道や生活ゴミの処理、もである。

それはさておき、渋滞気味の路上、突然前を電気自転車に乗った若い男が横ぎったかとおもうと、左前方からタクシーが斜めに侵入してくる。「危ない!」と思った時には、男の乗った電気自転車はタクシーの左側面にぶつかって転倒していた。男性は路上に投げ出され、荷物が道路に散乱した.....。大陸での接触事故タクシーのバンパーは衝撃で外れかかっている。「大丈夫か?」と思って車を降りようとしたら、男性はすぐに立ち上がり、大腿部をさすって苦笑いをしている。タクシーの運転手も若い男であったのだが、すぐに飛び降りてきて、外れかけたバンパーを手で支えながら、電気自転車に乗っていた男にどなっている......ぶつかって横転した男性の方は、苦笑いをしてタクシーの運転手に取り合わない.....散乱した荷物をかき集め、電気自転車を起こしてサッサと走り去ってしまった..........我々の車の眼前で路上に投げ出されたが、渋滞で車はノロノロ運転していたのが幸いした........それにしてもこの収拾の仕方はどうであろう。

えー、これはまず「人身事故」である。警察を呼んで現場検証を行い、車に乗っていた方により前方注意義務が求められるところで、横転した男の方がなにがしかの損害を請求できそうな雰囲気ではあった、ところが横転した男は、むしろ憤るタクシードライバーから逃げるように現場を走り去ってしまった。タクシーは追う事もせず、車を路肩に停止したままである........保険会社を呼ぶのであろうか?

しばし呆気にとられながら「危ないねえ。」と言ったら、Sさんは「今のは電気自転車が悪い」という。それはそうかもしれないが........と、しばらく先ほどの光景を反芻していた。
ふと、前方を見ると助手席の右手にトラックの荷台が迫っている.....「あ、ぶつかる!」と、運転席のSさんに注意を喚起するまもなく、ゆくりと車の右側面がトラックの荷台にめり込んでいった........Sさんは急いでブレーキを踏んだが、ちょっと間に合わなかったようだ。
大陸での接触事故助手席を降りて車を見ると、見事にへこんでいる。トラックの方も気が付いたのか、運転手が降りてくる。Sさんは運転席で「どうしよう、妹に怒られる。」と言って頭を抱えている。
こうなっては仕方無いので、トラックとともに、路肩に車を寄せる。国産トラックの荷台は厚い鉄板で出来ていて、見るからに無傷である。対して、こちらの方はなかなか無残な格好である。大陸での接触事故後ろから突っ込んだこちらが悪いのであるが、トラックの方は、車の塗料が若干剥げているだけである。大した事もなさそうなのを見ると、トラックの運転手はむしろ気の毒そうな顔をして走り去ってしまった.......。
「保険入っている?」と聞くと、
「うん...」という事なので、少しホッとした。ともかく保険会社の人を呼んで、状況を見てもらうことになる。これから以降の流れは、あるいは日本の場合と大差ないかもしれない。しかし渋滞のためか、思いのほか、保険会社のスタッフの到着に時間がかかる。午後もいろいろ用事があって、案内してもらう事になっていたのだが、今日の予定はすべてキャンセルである。いかんともしがたい。

保険会社の人が来るまでの間、周りを散策しようと思ったが、いかんせん深圳には骨董屋もなければ古民居も見当たらない.......ふと、道路の反対側に廟堂のような建物を見つけたので、少し見学。大陸での接触事故おそらく昔の寺院が道館ではないかとおもうのだが、現在は老人会の施設として使われているようだ。中には入れないので、外観を眺めておしまいである。おそらくこの辺も、開発が進む前は、このような建物が集まった小さな村落だったのだろう。
大陸での接触事故さて、ようやく保険屋さんが到着し、破損状況を調べる。証明写真を撮り、保険が下りる事になったそうだ。
「どれくらい保険でカバーできるの?」と聞けば
「7割くらい。」
大陸での接触事故という事で、次は修理工場である。修理工場で車を見てもらい、いろいろ交渉の末決まった修理代は総額3800元。当時は1元が20円くらいであったから、邦貨にすれば76,000円、というところだろうか。日本でこれくらいの修理をする場合よりも、一応は安いような印象である。修理には4日ほどかかるという。大陸での接触事故保険で7割カバーしてくれるので、当人の負担は1,140元、2万3千円くらいで済んでいる。とはいえ、痛い出費である。小生の依頼で運転中の事故なので、埋め合わせを何処かで考えなければ......というところだ。しかし互いに怪我は無くてまずはなにより、なのである。

大陸を車で移動していると、2〜3週間の間に、2,3度は事故現場に出くわすものである。「ヒヤリ・ハット」というが、「ヒヤリ」くらいの事は毎日である。助手席に座る時は、近距離であってもシートベルトは必須である。最近は大陸もベルト着用の取り締まりをするようになったが、少し前はタクシーの助手席でベルトを占めようとすると「ベルトいらない、大丈夫、大丈夫」という運転手もいたものだし、シートベルトが壊れているような車もあったものである。
深圳や広東諸都市の交通マナーはかなりひどい物で、ウインカーも出さない車線変更はしょっちゅうである。ところが上海の高架道路上などは最近はかなり改善されているようで、そのためなのか、車の流れもスムーズになってきているようだ。ルールやマナーを守ったほうが、結局は自分も得をするという道理が、多少なりとも浸透してきているようである。

もっとも今回のSさんの事故に関していえば、まったくの前方不注意、なのであるが。今後も深圳で車にのるようであれば、充分注意して運転してもらいたいものである。
落款印01


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